これは、私から私への手紙。
当時を振り返り、少しだけ言葉を紡ぎたいと思います。
私へ。
私から私への育児のアドバイスなんて、そうありません。
だってあの時の私は必至で、きっと簡単な慰めなど心に響かないでしょう。
一つだけ言えることは、「大丈夫、あなたはよくやっている」ということです。
娘は生まれた時からベッドで寝てはくれない子でした。産院で一人ふにゃふにゃな生き物を抱きながら途方に暮れていたことを思い出します。
家に帰ってからもひと時も離れず、抱っこをしていましたね。家のことが何も出来ずに、焦りだけが募っていました。
母乳もあまり上手に出ず、ミルクを飲ませようと努力していましたね。
産む前は単純に、母乳とミルク混合でいこうなどと考えていたのに、実際はとてつもなく困難な道のりでした。
お乳が、満足のいく量が出ないのです。
それなのに娘は哺乳瓶を拒否しました。あの時の絶望は計り知れないものがあります。唯一の栄養源を拒否し、出ないお乳を吸い続ける娘に、焦りと不安で娘を抱えながらボロボロと泣いていたのを覚えています。
夜もまた、苦難の道でした。
一人では寝ないのです。
細かく起きては泣いて母を求める娘をひたすら抱っこをして過ごしました。暗闇の中、抱っこで部屋の中を檻の中の動物のようにぐるぐると歩き回った時のあの寂しさ、孤独な気持ちは一生忘れないでしょう。
そのあと3歳になり、お医者さんに掛かるまでずっと睡眠は問題でした。
食事も、大変でしたね。
食べないのです。
離乳食の時から、食事を拒否されていました。
スプーンが唇に触れるだけで嫌がり、顔を背けるのです。
今なら分かるのですが、本人の不安の強さと感覚過敏のせいで受け付けなかったのでしょう。ただ当時は食べてもらおうと必死になっていたましたね。形を変え、食感を変え、場所を変え、試行錯誤の日々。
無残にも打ち捨てられる食事と泣き叫ぶ娘の声が響く中で何度拳を握りしめたことでしょう。
よく耐え頑張ったと思います。
最後に一言だけ。
私は私を誇りに思います。
ここまで娘を見守ってきた自分を、褒めてあげましょう。
そしてまた、良き母となれるよう力を抜きつつ努めましょう。
私と、娘にこれから先も幸せがあるよう信じて。
